NOSAI神奈川
WELCOME

―NOSAIホームページ写真説明―

夏の声
     

  

 今年の夏も猛暑の日が続き、局地的には大雨の日も多く、不安定な天気が続いております。コロナ禍の中で開催されたオリンピック・パラリンピック。世論は様々ですが選手の方々の躍動する姿が印象的でした。
  今回は真夏の昆虫ということで、セミについてです。こちらはミンミンゼミ。「ミンミン」という鳴声の音が和名の由来となっております。セミが鳴くと本格的な夏の到来を感じます。気温も高い上、街中で聞く鳴声は大きく、余計暑さを感じるという人も多いのではないでしょうか。
  セミは、成虫の寿命が短いことでも知られています。その発生周期も7年や13年と、素数であることが多いという研究結果もあるそうです。明確なメカニズムは分かっておらず、研究者の注目の的となっているようです。砂漠でバッタが大発生し、農作物の被害を及ぼすというような事例があるように、昆虫の大発生は基本的に子孫を残すためだと考えられます。ある短期間に大発生をすることで、天敵が全ての個体を捕食することはできず、生き残る個体が子孫を残すという戦略です。セミの素数年数での発生に関しては、天敵から発生を把握させにくくする効果がある等、種の存続と何らかの関係があると思われます。
  最後に、松尾芭蕉の有名な「閑さや岩にしみ入る蝉の声」という俳句がありますが、このような蝉の声を私は未だ聞くことが出来ておりません。この夏の蝉の声はどのように聞こえてくるのか、夏の声に、時には耳を傾けたいと思います。