１１月後半、もうすぐ師走。年末に向けての大掃除や年賀状作り、何かと慌しくなってくる季節です。気温も朝晩では一桁台と冷え込んできました。各地で落葉樹も紅葉になり、山々が黄色や赤色に染まっていく様はとても綺麗な光景で、短い秋を楽しませてくれます。
　さて、今回は紅葉ということで葉に焦点を当てましょう。なぜ落葉樹は緑色の葉が色づいて紅葉に変わるのでしょうか。それは葉の中にある葉緑体とよばれる色素に関係します。私たちが葉を見た際に緑色に見えるのは普段クロロフィルとよばれる色素が葉に多く存在し、その色素が緑色だからです。ところが秋になり気温が下がると葉はクロロフィルの量を減少させるため、カロテノイドとよばれる黄色から橙色の色素が目立つようになります。葉緑体の色素には何種類かあり、カロテノイドは黄色から橙色の色素の一群の総称です。このカロテノイドの黄色や橙色を私たちは見て、今年の紅葉も綺麗だな〜なんて物思いにふけるということになります。植物は光合成を行い自身で栄養を作ることが出来る特異的な生物です。太陽の光エネルギーを利用して光合成を行うのも、この葉緑体です。生き物の不思議は科学そのもの！自然の中にある様々な科学を探してみてください。